天増川のことを知ったのはネットサーフィンをしていたほんの偶然だった。
滋賀県にありながら、その川自体は琵琶湖水系ではなく日本海側へ注ぐ
北川水系、つまりヤマメ域だったこと。
遊漁券設定が日釣り券しかなく、日釣り券を購入するところは一軒のみ、その
民家の方が券を買うとゲートを開けてくれて奥へ入れるという運営形態だったこと。
そんな形態ゆえなのか、関西圏の釣り場としては珍しく?比較的遅くまで渓魚が
残っていること。
さらには、ゲート付近にはアマゴの放流をしているが(滋賀県ですからヤマメが
手に入れにくい?)奥にはまだヤマメが残っていること。
ここまで読んで、途端にこの渓への興味がわいた。
しかし・・・・残念ながらその年で漁協が解散してしまい、ゲートは開放されてしまうことも
続けて書かれていた。
その記事を書いていたブロガーの方の気持ちやコメントを寄せられていた方の気持ちには
なんとか今の状況を残したいとか関西でのC&R区間に、、、といったことも。
いてもたってもいられず、勇気を出してブロガーの方に連絡をしてみて、まずは
ボクも現地へ行ってみた。2年前の11月のことだ。
ボクも出しゃばりすぎたかもしれないけれど、既にこの漁協の方たちに思いを伝える活動を
されていたブロガーのBさんと供に組合長のところへお話にいった。
そこではさらにこの渓のポテンシャルの高さを思い知らされて、(はるばる日本海から
サクラマスが上がってきて秋にはペアリングが見られるという・・・・)それでも解散は
決定事項だから、、、と。
集落全体の平均年齢の高齢化で、管理しきれないという現実。これは近い将来日本の
内水面においてあちこちの地域で切実な問題になるかもしれない、止めようのない
現実。なす術も無く、それでもせめてゲートだけは開放しないでくれたら、、、なんて
思いながら帰ってきた。
その後、お隣の漁協が、この渓を漁場として申請を出して許可が下りるまでは
禁漁となったという情報をお聞きした。
そして今年。
お隣の漁協の管理下となりつつも、嬉しい事に日釣り券もこの渓専用のもの、
そして一軒のみの販売、ゲートも日釣り券購入後に開けていただけるというこれまでの
管理方法を踏襲して、解禁をむかえた。
早速GWの前半の休日を利用して釣りにいってきた。
こちらからは友人と二人で、そして地元の釣り仲間、関西の親友も駆けつけてくれて
5人でのヤマメ探釣となったのだ。
実はHPのトップの渓流の写真がこの天増川だ、写っているのはこちらから一緒に
出かけてくれた釣り仲間Tさん。
ヤマメは思っていたよりも沢山いた(釣れた)。そう大きなヤマメにはボクは会えなかったけれど
仲間たちのネットにはちゃんとおさまってくれたのだった。
もちろん、そのヤマメたちはみんなリリースしたのはいうまでもない。
この渓は、それでもまだ危うい状況には変わりない。
なぜかって、ゲートさえ開けてもらえれば、持ち帰りをされる釣り人による釣獲圧は避けられない
からだ。下流域のアマゴの放流もあるのかどうかも未確認だけれど、
この放流魚たちがいわばヤマメたちを守っているような役目にもなるのだけれど、もしも
アマゴの放流が無くなっていたとなると・・・・。
C&Rという手法が今もってなかなか理解されにくい事は仕方がない。それでも
こんな奇跡みたいな釣り場にこそ、魚を残すためのなんらかの策を講じたいと思うんだけれど。